石ことば・・真実・有愛・忠実
「ガーネット」はラテン語で「種子のような」という意味です。母岩中の粒粒状に密集する濃赤色の結晶が、大昔の鉱物学者たちにざくろの種子を思い起こさせた事から宝石名がつけられました。ちなみに和名は「ざくろ石」です。
ルビーやエメラルドのように単独の宝石を指す名称ではなく七種類の鉱物を含むグループの名前です。ワインレッドの美しいロードライトガーネットや翡翠に似た亜透明の緑色をしたグロシュラライトガーネットなどが人気です。
ガーネットと聞いてすぐに思い浮かべるのはワインレッドの美しい宝石です。初期の聖書に既に登場し、人類の長い足跡の中で「誠実・真実」をあらわす宝石として広く愛好されてきた歴史を持っています。
古代ペルシャ人はガーネットを王室の宝石として考え、名誉と健康を保ちあらゆる病を癒し、あらゆる危険から身を守ってくれる御守りと信じられていたそうです。
石ことば・・誠実・心の平和・愛情
女神ダイアナに恋慕していた酒神バッカスは、ある日ダイアナの冷たい態度に怒りを爆発させ、帰途最初に出会ったものにいつも連れている虎をけしかけてやろうと思いました。
そこへ運悪く通りかかったのが美貌の処女アメシストでした。虎に襲われた彼女はダイアナに助けを求め、その神通力に依って清澄な石に化身して難を逃れる事が出来ました。
これを見て内心後悔したバッカスが、その石のあまりの清らかさに心打たれて、持っていた葡萄酒を注ぐと石はみるみる美しい紫色に変わりました。
ギリシャ神話に出てくるこの有名な話しから、ギリシャ語のアメシストには「酔わせない」と云う意味が有り、アメシスト色のグラスで酒を飲めばいくら飲んでも正気を失うことはないと長い間信じらていたそうです。
各種水晶群の中にあってアメシストの人気が抜群なのは、日本でも昔から紫色の袱紗・紫色の袈裟などが高貴な色として尊ばれてきたからです。
石ことば・・聡明・長寿・幸福
珊瑚は水深30メートルから時に1000メートルの深海の底に根をおろし枝をはった樹木のような形で成長します。その形から一見植物のように見えますが、サンゴ虫というイソギンチャクなどと同じ腔腸動物の一種が群棲し、虫が死んだ後その骨格が積もり積もって永い年月のあいだに樹枝のようになったのが珊瑚なのです。
珊瑚礁をつくるのが六本の触手をもつサンゴ虫であるのに対し、宝石珊瑚は八本の触手をもつものに限られ、八本珊瑚と云う分類で区別されています。
昔から地中海が珊瑚の産地として知られ、イタリアあたりからペルシャを経由して中国に入り、そして更に日本に運ばれたようです。 又、気のある血赤珊瑚を供給する土佐沖は大切な産地で、宝石資源に恵まれない日本にあって真珠と並んで世界に誇ることの出来る極めて数少ない日本産の宝石です。
古くから日本では珊瑚を身に着けると御守りになると云われ、指輪を初め簪や帯留めなどが愛用されたようです。
又、近年では珊瑚に代わりにアクアマリンが三月のお誕生石として大変人気があります。鉱物のベリル変種の中で最も重要な宝石がエメラルドとアクアマリンです。 アクアは「水」マリンは「海・美しい海水」青色と高い透明度に恵まれ、爽やかで清らかなアクアマリンは誰からも愛される宝石です。
石ことば・・清純無垢・不屈
ローマの著述家プリニウスが著した「自然誌」に記述されたダイアモンドの語源である「アダマス(ギリシャ語)」が最も古い文献と考えられています。プリニウスはその中にダイアモンドの項目をもうけ、遥かなる東洋の国でとれる比類無き硬い石についての伝聞を書き記しています。
それはハンマーで叩いても壊れない。また身に着けると邪念を払うという非科学的な記述もありますが、人々がダイアモンドの硬さに驚異の目を向け、神秘の念を抱いたことを示しています。
現在もダイアモンドは文字どおり宝石の王者として君臨し続けています。
石ことば・・幸運・幸福・希望
女王クレオパトラが、エメラルドを愛するあまり自らその鉱山を所有していたと云う伝説は広く知られていますが、この幻の鉱山の所在は1818年に時のエジプト太守の依頼でフランスの科学者カイヨーが探索し、紅海から約25キロ内陸に入ったところで発見されました。古代におけるエメラルドの供給は、おそらくこの鉱山から採掘されていたものと推測されます。
紀元前四千年のころ、当事権勢を誇ったバビロニア帝国の首都バビロンの市場にエメラルドの流通があり「ヴィーナスに捧げる宝石」と呼ばれていたことが文献に出ていますし、ローマ時代の学者プリニウスはその著書の中で「エメラルドを見つめるとどんなに疲れた目でも新鮮に蘇ってくる。目の疲労を治すのにこれ以上の方法はない」とその美しさを讃えています。
石ことば・・健康・長寿・円満
真珠はその比類無い美しさを表すのに手を加える必要が無いので、昔から人々に愛好されてきました。原始人が海岸や河で食料を求めていた時に真珠は発見されており、今日でも真珠を所有することは大変な誇りになっています。
真珠はローマ時代の男女に大変好まれ、真珠を沢山使う事で相手より優位に立とうとしたそうです。長椅子や馬具は真珠の美しさで光り輝き、ローマの婦人たちは寝る時にも真珠を身に付け、朝目覚めた瞬間、宝石が有ることに裕福さを感じ酔いしれていたと言われます。
王室の人物を画いた肖像画に見られるように、エリザベス女王とカサリン・ド・メジチは真珠の大の愛好家でした。王室は真珠を贅沢に使って過去の王室に打ち勝とうとし、ある支配者は臣下が真珠を使うことを禁ずる法令を発布したそうです。
宝石の中でも真珠は日本人に一番愛されている宝石でしょう。1893年日本人により世界で初めて真珠の養殖が発明されて以来、真珠は私たち日本人にとって身近な存在になったからです。
真珠にはアコヤ貝から採れるアコヤ真珠。白蝶貝から採れる南洋真珠。黒蝶貝から採れる黒蝶真珠。イケチョウ貝などから採れる淡水真珠。マベ貝から採れるマベ真珠。などが有りますが、皆それぞれに特徴が有り美しい魅力を秘めています。
以前では喪のイメージが強かった黒蝶真珠ですが、最近ではハイセンスなマダムたちが日常のオシャレな装いに合せて身につけられる事が多くなりました。
石ことば・・情熱・仁愛・威厳
英国王が戴冠式の時に使用される指環は純金製でセントジョージの十字架を彫り込んだ、大きなステップカットのルビーが26個のダイアモンドに取り囲まれてセットされています。 王の配偶者にもルビーの指環を贈るしきたりが続けられています。
ルビーはまさに王の宝石で有り、王位を飾るに相応しい格調を備えています。聖書のヨブ伝に「知恵の価値はルビーに勝る」と云う言葉があります。大昔からルビーがいかに価値の高いものとされたか、伺い知ることが出来ます。
(主産地である)タイ・ミャンマー・スリランカのヒンズー教徒たちには、無色のサファイアが熟してルビーになるものと信じられていました。
色の淡いルビーは熟し方の足りないもの。そしてキズの多い石は熟し過ぎたものだったのです。母なる大地に抱かれて太陽や自然の恵みをふんだんに受け、完全に成熟したものがルビーになると考えられていたのです。
無色のサファイアも真紅のルビーもコランダム(鋼玉)と云う全く同じ鉱物で、内包する着色成分によって赤い石になったり青い石になったりします。最良質のルビーの色を形容して、ビジョンブラッド(鳩の血)と云うことばが使われます。
良品の多くはミャンマー産ですが、大粒の結晶の産出は極めて少ないので大変高額となります。スリランカ産ルビーは、輝きは良いのですが淡色で紫を含んでいる場合が多く、紫外線の強い現地で綺麗な赤色に見えたものが、日本で鑑別に出すとピンクサファイアやバイオレットサファイアと判定されるケースが稀に有ります。
現在日本に出回っているルビーの多くはタイ産で、黒色味を含んでいるものから紫色・褐色・橙色を帯びているものまで。一口に赤色と言っても、ごく僅か含まれるこれらの色によって風合いが少しづつ異なります。
石ことば・・平和・安心・豊穣
紀元前1500年の大昔に紅海のセント・ジョン島を産地として既に採掘が行われていました。明るく温かみがあるオリーブグリーンの宝石は「太陽の宝石」として暗闇を明るくし、悪魔を退散させる力があると大昔の人々に信じられていました。
十字軍の遠征は多くのペリドットをヨーロッパにもたらしました。しかし当時の知識からして多分にエメラルドと思い込まれていたようです。
今に残るペリドットの中には、かつてロシア皇帝の身を飾ったであろう192・75ctのほとんど無傷の逸品が有り、モスクワのダイアモンド・トレジャリーに現存しています。
かつてはハワイでも採れたので、名産品のようになっていますが、現在はアリゾナ州やオーストラリアで採掘されます。
石ことば・・慈愛・誠実・徳望
大昔・・ペルシャ人は自分たちの住んでいる大地が巨大なサファイアの上に有りその色が空に映って青くなっていると信じていました。
サファイアと云う言葉は「青」を意味するラテン語から来ています。
鉱物学的にはコランダム(鋼玉石)に属するのでルビーと同じ石で有ることを意味しています。
石中に含有される酸化クロムの割合に依って色が変化しますが情熱的な赤に輝く石をルビーとし,他の色のコランダムを一括してサファイアと呼びます。
「秋のジュエリーフェア」期間中は心癒されるブルーサファイアを始めピンクサファイアやオレンジサファイアなどの希少なファンシーカラーサファイアのジュエリーを色々御用意致しました。
石ことば・・心中の歓喜・安楽・忍耐
古代ローマ人たちがキュービット・ビデロス(愛の如く美しい子)と呼び、美と希望と清純の象徴として讃えたオパールは、あらゆる宝石の中でも最も特徴のある美しさを発揮することで知られています。
石の内部から泉のように湧き上がってくるカラフルで透明なきらめきはプレイ・オブ・カラー(遊色効果)と表現され、オパールの人気の源泉となっています。
古代からオパールは神と人間が愛する石で身につけている人は病魔から護られると信じられ・・日本人にも大変愛されています。
オパールと並び10月の誕生石とされているのがトルマリンです。トルマリンにはほぼ全色の色が有り・・中でも宝石として用いられるものは緑・赤・青などです。 ルベライトの宝石名で呼ばれる赤色トルマリンはルビーに似た濃い赤色をしておりとても希少性の高い宝石とされています。
石ことば・・友情・希望・潔白
トパーズの名は紅海の一島トパージオ(Topazios)から来ていると言われています。
又はこの名が「火」を意味するサンスクリット語のトパス(Topas)が語源であるとも言われています。
古代の人々はお守りとして身につけると悲しみを払い知性を強め勇気を鼓舞すると信じておりました。
他の多くの宝石と異なりトパーズには広範にわたる色が有ってもその色にははっきりとした変種名はつけられていません。
以前はトパーズと言えば黃褐色のものが主流でしたが最近ではブルートパーズやピンクトパーズが若い女性に人気が有ります。
石ことば・・繁栄・成功・開放
1900年にエジプトで発掘されたミイラ、女王ザーのブレスレットに埋め込まれた4つのトルコ石が、世界最古の宝飾品であろうと言われています。
それは7500年もの間、主と共に地中に有って尚、その美しさを失っていなかったと云うことです。
人類が美しい石で身を飾り始めた時から使われていたであろうトルコ石は、ただ古くから愛好されたと云うだけでなく、ペルシャ・エジプト・インカ・アズテックなど古い時代の各民族に幅広く用いられ、更にはチベットやアメリカ南西部のインディアンたちの間にも広く愛されました。
トルコ石という名前から、トルコで産するものと思われがちですが、実はペルシャ(イラン)とエジプトのシナイ半島が大産地であり、トルコを通ってヨーロッパへ運ばれたため、トルコ産と思われたようです。又アメリカの西部やチベットなども産地として知られています。
トルコ石の大きな特徴は多孔質の石なので水や油を容易に吸収しやすいと云う欠点を持っています。 しかし・・この性質を利用して染料や油を染み込ませ、より美しい艶を与えることが古くから行われています。
又最近では、トルコ石と並んで青から青紫色を有する多色性の宝石タンザナイトも12月の誕生石として大変愛されています。タンザナイトは正式な名称をブルーゾイサイトと言います。
ネガティブなエネルギーをポジティブなエネルギーに変えるパワーストンとして大変注目されている宝石です。